生きる、逮捕されても

まさかの「逮捕」で人生終わりかけましたが、僕はこれからも生きていかなければなりません。逮捕された経験ならではの思いを発信していきます。

【留置所生活 その1】 そもそも留置所って何?

【留置所とは?】

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「留置所って何?」って質問に明確に答えられる人、意外と少ないと思います。

「留置所」とは、端的に言うと、刑事事件の犯人として疑われ逮捕されてしまった人が入る施設です。あくまでも、警察や検察官から捜査を受けて、今後起訴して裁判にかけるかどうかを決めるために身柄を拘束するための施設ですので、逮捕されて留置場に入った時点では、罪は確定していません。

 

逮捕されてから刑事裁判に至るまでの、大まかな流れは、「逮捕」⇒「警察の取り調べ」(48時間以内)⇒検察への送検(24時間以内)⇒「裁判所からの勾留命令」(10日~20日)⇒「起訴」⇒「起訴後勾留」(1カ月程度)⇒「刑事裁判」⇒「有罪・無罪の判決」となっています。起訴までの間に警察や検察官から取り調べを受けるわけですが、その取り調べの結果不起訴になれば釈放されますし、場合によっては裁判所からの勾留命令が出ずに釈放されることもあります。

 

 

逮捕=即刑務所ではありません!

先述のように、逮捕から有罪判決が出るまでにかなりの長いプロセスがあります。特に、大きいのは起訴されるかされないかの違いです。逮捕されて不起訴になる割合がどれくらいか調べてみました。

強盗の不起訴率:26%
傷害の不起訴率:35%
暴行の不起訴率:53%
窃盗の不起訴率:36%
詐欺の不起訴率:33%
恐喝の不起訴率:36%
横領の不起訴率:32%
強姦の不起訴率:43%
強制わいせつの不起訴率:40%
公然わいせつの不起訴率:20%
覚せい剤取締法の不起訴率:17%
大麻取締法の不起訴率:37%
売春防止法の不起訴率:37%

以上のデータの通り、逮捕されても起訴に至らないケースってのは結構多いんです。当然、起訴の中にはは略式起訴(検察官が所轄の簡易裁判所に簡易性や迅速性を求める起訴)、執行猶予ありなどのケースも含まれますから、実際に刑務所で実刑をくらう率はこれらの統計よりさらに低くなります。そして、どれくらい低くなるかというと、平成25年の統計ですが、逮捕されたのは、1332918人。最終的に刑務所に行くことになったのは、22755人。割合にして、逮捕者全体の1.7%に過ぎません。

 

そんなわけでもう一度留置所の話

留置所→逮捕された人をいったん置いておく場所
拘置所→裁判の済んでいない容疑者や刑の執行を待つ人のいる場所
刑務所→確定した刑を全うする場所

 

簡単に言うとこんな感じです。留置所は拘置所や刑務所と違って、法務省ではなく警察の管理下にありますし、捜査・取り調べを行う施設とは分離しています。したがって、留置管理課と呼ばれる看守の方々の仕事は、留置場にいる被疑者をお世話することです。ですので、留置所の看守の方々は基本すごく親切ですし、事件の話は原則しません。時には相談に乗ってくれたりもします。今思えば、留置所の看守の方々はいい方ばかりで、自分の更生を真剣に考えてくれていた方ばかりでした。

世間より警察の方が犯罪者に優しくて、当人を罰することより更生を第一に考えているというこうことを感じましたが、何とも皮肉なものです。