生きる、逮捕されても

まさかの「逮捕」で人生終わりかけましたが、僕はこれからも生きていかなければなりません。逮捕された経験ならではの思いを発信していきます。

先生、大企業って本当に安定しているんですか?

「大企業は安定している」という言葉をよく聞きますが、その定型句、よくよく見てみると日本語としては不完全なんですよね。大企業の「何が」安定しているのかが明確ではないからです。企業業績が安定しているのか、雇用が安定しているのか、労働条件が安定しているのか、出世が安定しているのか、勤務地が安定しているのか……この定型句を使う時は、何をもって安定とするのか、是非皆さんには意識して欲しいと思っています。これは公務員に対しても同じことが言えますね。

 

身も蓋もないことを言ってしまえば、大企業が安定しているかどうかと問われると、「その会社次第です」としか答えようがありません。ですが、大企業で働きつつ様々なな労使案件を扱ってきた経験から、「一般的にどこが安定していてどこが安定していないか」というのはいくつか説明できる気がします。

 

安定しているポイント

まず、雇用・賃金・労働条件は安定していることが多いと思います。

というのも、先日の記事で書いたように、大きな会社は大きな労働組合を抱えていることが多く、労働条件を見直す際には必ず会社と組合が協議を行うからです。例えば、会社が「出張時の日当を見直したい」という提案をする時に、会社は勝手に見直し自体を行うことができませんし、見直しを行うことが労働者側と合意できたとしても、必ずその額についても組合と協議を行うのが通常の営みになっています。普通の中小企業なんかだと、労働協約がなく、労働条件が会社側の一方的な意向で変えられてしまうことが多いですから、労働条件の観点で言えば、労働組合を抱える大企業は一度労働者側が獲得した権利が消失し辛い、もしくは新たに労働条件を獲得し得るという点では安定していると言えます。

もっとも、ちゃんとした労働組合のある大企業だからと言って「賃金・労働条件が下がらない」「解雇されない」なんてことはありません。経営状況が傾けば、当然社員・組合員の賃金、労働条件、雇用にもメスが入ります。そのような例は枚挙に暇がありません。

ただ、やはり中小企業に比べると労使の営みがしっかりしている大企業ではそういったところにメスが入り辛いという意味で、「安定している」といえるケースは多いと思います。

 

安定しないポイント

全国転勤のある会社なんかだと、何と言っても、転勤があることが安定していません。「移住して定住したい」というこのブログの趣旨からすれば、人事部の一声で自分の住む場所が勝手に決められてしまうというのは冷静に考えてとても恐ろしいことです。当然、会社側は住宅手当とか、単身赴任手当とか、諸々の制度を用意していることが多いのですが、「同じ場所に住み続けることができない」「次、いつどこに転勤になるかわからない」というのは安定しない要素の筆頭でしょう(もっとも、それを余裕持って楽しんでいる人もいますが・・・)。当然、転勤する時は異動先の上司や部下だって選べませんし、万が一クラッシャー上司に当たったらそれこそ、そこで働いている期間は地獄です。さらに言えば、家を買ってある程度子供が大きくなってからのの異動となれば単身赴任をしなくては働き続けることができない、なんて状況も当たり前のように起こります。このように、大きな企業で正社員をやるということも思った以上に安定しない部分が多いのです。 

 

僕も、福島、東京、宮城と勤務していますが、上司の当たり外れってのは大いにありましたし、何と言ってもこれからどこに異動になって、どういう仕事をすることになるかということはまったく未知数です。だから、地元の中小企業で働いている友人が「家を買った」なんて話しを聞くと、(働く場所や仕事の内容が)安定してて羨ましいなあ・・・ていうか俺全然安定してねえじゃねーか!なんて思うことはザラです。僕が漫然と大企業に抱く安定しないポイントというのはこういったところです。

 

僕は、大企業で働いて10年になりますが、いい部分について、悪い部分について、それぞれ思うところがあります。そういったところもこのブログでオープンにしていければいいな、と思っています。

 

それでは、また!